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原田知世《Blue Orange》 [音楽]

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この前、六本木ヒルズの《カードキャプターさくら展》に行った。最も注目すべき原画はやはり印刷では再現されない部分があって、なぜマンガ家は再現不能な範囲に入り込んでいるのにそれでも描き込んでしまうのだろう? といつも思うのだけれど、でもそれがマンガというものなのかもしれない。それとCLAMPの場合、カラー原稿を見るとそのピンクとブルーの使い方に特徴があって、いわゆるペールピンクとペールブルー、少し色褪せたこれらの色がその繊細さを現しているのだがその色は印刷には再現されない。
また、さくらと、たとえば男性キャラなどの脇役とでは描き込みにものすごい違いがあって、その差が半端ではない。

ばかでかいケロちゃんがいてその前で記念写真が撮れるようになっていて、ひとりで来た来場者のために係員がいてスマホで撮ってもらえるようになっている。最近のさくらちゃんの立て看みたいなのがあって、でもさくらちゃん大きくなっちゃったからなぁと思う。永遠に5歳の園児もいるというのに。
ケロちゃんもいいけど、でもCCさくらの鍵は知世ちゃんなのだ。ちょびっツの柚姫のような暗さがなく、いつも明るくて、そして衣裳を作ることに情熱を注いでいる。

それで知世という名前からどうしても連想してしまうのは原田知世で、だがリアルタイムで私が聴いたのは2002年の《My Pieces》であり、かなり遅い。それより前に鈴木慶一プロデュースの《GARDEN》(1992) を聴いていて、それについても何度かこのブログ記事で触れたことがあるが、でも原田知世の目指していたものは、今から思うとよくわかっていなかったのかもしれない。そこで見出されたエキセントリックさが、鈴木慶一が仕掛けたものなのかそれとも原田自身からのものなのか不分明なこともあった。

今月、アナログ盤ブームに乗って3枚のアルバムが再発されたが、この3枚《clover》(1996)、《I could be free》(1997)、《Blue Orange》(1998) はトーレ・ヨハンソンの3部作であり、この時期は同じトーレ・ヨハンソンがプロデュースしたBONNIE PINKの2nd《Heaven’s Kitchen》(1997)、3rd《evil and flowers》(1998) と重なる。
尚、関係ないかもしれないがCLAMPの『CLOVER』の連載開始は1997年である。

それより前、1987年の6thアルバム《Schmatz》の最後に置かれた大貫妙子の詞によるエルザのカヴァー〈彼と彼女のソネット〉(T’en va pas) あたりが原田知世が音楽に対して自覚的になったきっかけの曲のひとつと考えてもよいのかもしれない。つまりアイドル歌謡からの脱皮である。だが当時のライヴを見ると、ショートカットの原田知世はまだずっと活発そうなキャラクターで、その後のイメージとは落差がある。〈彼と彼女のソネット〉は先に原田知世盤 (1987.07.29) が出て、大貫自身が歌った同曲の収録されている《A Slice of Life》(1987.10.05) のほうが後である。

大貫妙子も同様のアナログ盤ブームに乗って、先月には《cliché》(1982)、《SIGNIFIE》(1983)、《カイエ》(1984) が再発されている。このまま行けば全アルバムが出て来そうである。
そして《clover》リリースと同じ年に出された中谷美紀の1st《食物連鎖》(1996) でほとんどの曲を書いているのは坂本龍一であり、大貫の《cliché》に似たテイストを感じるが、その後、原田のような音楽的な発展は無かったように思う。


原田知世/clover (CRAFTMAN RECORDS)
Clover <LP> [Analog]




原田知世/I could be free (CRAFTMAN RECORDS)
I Could Be Free <LP> [Analog]




原田知世/Blue Orange (CRAFTMAN RECORDS)
Blue Orange <LP> [Analog]




原田知世/彼と彼女のソネット
https://www.youtube.com/watch?v=RAB8l6msHk8&t=62s

原田知世/彼と彼女のソネット (live 1987)
https://www.youtube.com/watch?v=5Qi49lbgSss

大貫妙子/彼と彼女のソネット
https://www.youtube.com/watch?v=CSfJmlVVEl0

大貫妙子/横顔&Voce é Bossanova
https://www.youtube.com/watch?v=SXCfAUyeQwg
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英ちゃん

六本木ヒルズは、行った事ないです。
が、大昔に六本木に住んでた事はある(゚□゚)
by 英ちゃん (2018-12-10 01:42) 

末尾ルコ(アルベール)

姉の原田貴和子もまだ女優をやっていて、知世とともに『ペコロスの母に会いに行く』という映画に出ておりますね。
この作品は2013年公開作の中で映画賞を独占しておりまして、もっともわたしは主演の赤木春恵、岩松了に目を奪われていて、原田姉妹についてはあまり印象に残ってないのです(笑)。
先ごろ亡くなった赤木春恵が最高齢で映画初主演を果たした女優としてギネスにも登録された作品です。
貴和子は主要な役ですが、知世の方は小さな役・・・しかしどのような経緯があったかは知りませんが、このような映画に姉妹揃って出演しているって、素敵なことですよね。

原田知世/彼と彼女のソネット (live 1987)の映像なのですが、素晴らしいですね。
曲も素敵。
そしてステージングがトータルで、この時点で既になかなか見事ですね。
ちょっとした動きが目を瞠る優雅さやカッコよさを醸し出しています。
これはバレエを習っていた経験も大きいのでしょうが、それに加えて生まれ持った説得力満点の身体的美しさが圧倒的ですね。
この部分はどんな練習をしても真似できない先天的な才能と言えます。
証明も含めてステージでの姿もちょっとフランスの歌手とか、そんな感じです。

>音楽に対して自覚的になったきっかけ

日本の芸能界は米英仏などと比較すると、デビュー時は無自覚な俳優、そして歌手も多いですね。
どちらかと言えば、無自覚な人の方が多いのではという感があります。
それは日本の社会自体が芸能、あるいは芸術やエンターテインメントに対して理会不足であるというのが根本的な原因だと思うのですが、無自覚な中から徐々に本物の表現者になっていく人も数多く、「どの時点で、どのような影響や心理過程の下で」といったことには大いに興味があります。
だから俳優に「好きな映画」を尋ねたり、ミュージシャンに「好きなアルバム」を尋ねたりという企画がおもしろいのですよね。
原田知世の場合はまず女優としていきなり大メジャーになりましたから、それは音楽活動に自覚的になっていくにあたって、いい面も悪い面もあったのだと思いますが、目じゃん-な女優だからこそ自由度の高い音楽活動を志せた部分もあったのかなと想像します。
原田知世と言えば、一大ブランドでしたからね。
そんな状況の中で音楽性を研磨していったのは素晴らしい人生ですね。

大貫妙子の80年代は聴き込んでおりますよ。
中谷美紀の音楽は、深まりそうで深まらなかったのですね。
そう言えば、原田知世の道のりとはまったく違いますが、角川3人娘(かつてわたしは渡辺典子を推していたという黒歴史が 笑)の一人、昭和の大スター薬師丸ひろ子の歌唱もわたしは大好きです。

> なぜマンガ家は再現不能な範囲に入り込んでいるのにそれでも

少し前に原哲夫(『北斗の拳』 笑)についての番組を観たのですが、印刷されない部分まできっちり書き込んでいることが多いようです。
それにしても売れっ子漫画家の生活はハードで、原哲夫は片目がほとんど見えなくなったといいます。

> でもネットのクォリティとは所詮そんなものです。

ということは、紙媒体にも十分生き残る可能性がありそうですね。
紙でネット以下の内容を出していてはお話になりませんから、紙ならではのクオリティをさらに上げなければならないですね。

> 不遇の人

わたしの持論なのですが、「不遇の人」だからこそ、人々に与えられる勇気というものがあると思うのです。
ただ、「成功者は本当に幸福なのか?」という問い掛けも常にしていくべきだと。

> ジャズというのはアドリブであり瞬間芸術

音楽のみならず、「アドリブ性」「即興性」に関するおもしろい本を読んでおりまして、この概念に今とても注目しております。                      RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-12-10 14:08) 

lequiche

>> 英ちゃん様

そうなんですか!
たまには行ってみてください。(^^)
by lequiche (2018-12-11 02:59) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

『ペコロスの母…』はタイトルも知らない映画でした。
介護など、今の世相を映し出している内容のようですね。
原田姉妹というのも言われて思い出しました。(^^;)

原田知世は初期の頃のTV映像などを観ると
しっかり振り付けされている曲が多いようです。
フランスっぽいということで、
ミレーヌ・ファルメールを連想しましたが、
ファルメールのライブ盤 En concert は1989年。
ということは原田知世のほうが早いので影響はありません。(笑)
でもフランス系の歌手の動きを彷彿とさせます。
先天的な才能というのはあると思います。

女優で歌手というとどうしても片手間のように思われがちですし、
また、歌の苦手な女優も当然いるようです。
そのほうが女優一筋でいけるという強みもありますが、
でも両方に才能があってそれぞれこなせるというのは
なかなかできるものではないと思います。

すみません。渡辺典子というのは知らないです。
今、検索してみましたが、う~ん・・・・。(^^;)
当時はかなり有名なかただったのでしょうね。
薬師丸ひろ子も歌手としてはユニークな印象がありましたが、
原田知世のように自作の曲という域ではありませんので、
そういう面で原田知世が一番音楽的にはこなれているようです。
そして変なタレント性とか売れ線を狙わなかったことが
結果として長続きする素地になったのではないかと思います。
中谷美紀や、あと柴咲コウなども音楽系なにおいがしますが、
やはり女優業が優先してしまうように感じます。
それは当然ですけれど。

昔の画家には生前認められなかった人というのがたくさんいます。
でも、認められないからといってあきらめなかった。
そのあきらめないという精神が大切です。
今は、まず認められたい、ちやほやされたい、
という人が多いように思います。
つまらないことでちやほやされても仕方がないのに、
でもそういう目先のニンジンが好きなんですね。

ジャズは確かに即興性があって、一期一会的な面がありますが、
では楽譜のあるクラシックはそうではないかというと、
即興性はないけれど一期一会という面では同じです。
むしろもっとシビアで後戻りのできない局面が存在します。
それが音楽の魔です。
by lequiche (2018-12-11 02:59) 

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