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Little Girl Blue — ジョニ・ジェイムス [音楽]

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Joni James

吉祥寺の《Funky》でJBLのパラゴンを聴くイヴェントがあったらしい、ということを幾つかのブログから知った。Funky というのは元ジャズ喫茶、現在はジャズ・バーとでもいうのだろうか、つまりジャズをBGMとする飲食店である。

そうした店の御主人はそれなりに蘊蓄があり、有名な人もいて、でも本など書いてしまうと毀誉褒貶、いろいろな意見が矢のように降ってくる。ネットを見ていたら、かつてジョニ・ジェイムスのことを持ち上げていた (すでに過去形なのだが) 某店主のことを 「あんなの買わせやがって。ジャズじゃねぇぜ」 と憤慨している意見があった。
確かに彼の発言の影響力は大きかったのかもしれないが、音楽の好みは千差万別だから他人の意見は参考にしかならないのに、自分で判断できなくて音楽を聴いてるのってどうなのだろうか。それにwikipediaにもジョニ・ジェイムスのことはトラディショナル・ポップ・ミュージック・シンガーと書いてあるし、ポップスであることは聴けばわかる。

どこまでがジャズでどこからがジャズでないのか、という境界線はむずかしい。でも《ヨルタモリ》でもジャズ喫茶店主の吉原サンが言っていたが、ジャズというジャンルはなくてジャズな人がいるだけなのだそうだ。
同じ歌をニーナ・シモンが歌えばジャズで、ジョニ・ジェイムスが歌えばジャズじゃないかといえばその通りとも言えるし、そのリスナーが何がなんでもジャズだと思えばジャズなのかもしれない。jazzyという形容詞は言葉通りの 「ジャズ風に」 ってことよりも、なんかこう、ゆる〜ぅく、って意味を持ってるような気がする。
クイーンには《ジャズ》というタイトルのアルバムがあるが、別にジャズをやっているわけではない。

というのは、今、モニカ・ゼタールンドのCDが何枚か再発されているのだが、彼女はスウェーデン語、つまり自分の言葉で歌うということにこだわったのだけれど、最初はジャズは英語で歌わなくちゃ、というバッシングが当然あったのだと思うのだ。
非・英語で歌うことによりジャズでなくなってしまうかもしれないという悩み。でもスウェーデン語で歌うモニカのほうが、英語で歌うジョニより、ずっとジャズなのは明らかだ。といって、だからジョニがよくないということなのではない。ジャンルではなくて、音楽として聴いたときどうなのか、それは個々のリスナーのニーズによって異なってくる。

ジョニ・ジェイムス (Joni James 1930−) の《Little Girl Blue》を久しぶりに聴いてみる。モニカ・ゼタールンドから辿っていって、なぜジョニ・ジェイムスになってしまったのかがわからないのだが、きっとゼタールンドのビル・エヴァンスとのCDがあったはずなのに探し出せなかったからなのだろう。

《Little Girl Blue》(1955) の第1曲目はアルバムタイトルの〈Little Girl Blue〉で、こうしたリッチなオーケストラ伴奏を聴くと、古きアメリカというか、いにしえのディズニー映画とかを連想してしまう。
この曲〈Little Girl Blue〉の作者はロレンツ・ハート/リチャード・ロジャースで、同じコンビの有名曲としては〈My Funny Valentine〉がある。リチャード・ロジャースはアメリカの黄金期の作曲家のひとりで、彼の最も有名な作品はオスカー・ハマースタイン2世とのコンビによる《サウンド・オブ・ミュージック》だろう。
もちろん〈Little Girl Blue〉も有名曲のひとつで、たくさんの歌手が録音しているが、ジャニス・ジョプリンの〈Little Girl Blue〉というのもあって、でもこれ〈Little Girl Blue〉じゃないよね。ギターがいつも〈Summertime〉みたいで。歌という表現方法の幅広さは限りないものだということを知る。

ジョニ・ジェイムスの声はスウィングはしていないけれど官能的だ。といってもべたべたしたセクシィなものではなくて、もっとクリアだけれど芯が太い。7曲目の〈Autumn Leaves〉など聴くと、歌とそれにまとわりつき湧き上がるオーケストレーションの、華やかだけれどさらりとしたセンスにアメリカの夢を聞く。

Little-Girl-Blue-377550.jpg
Joni James/Little Girl Blue


Joni James/Little Girl Blue (Tragon)
Little Girl Blue




Joni James/Little Girl Blue
https://www.youtube.com/watch?v=3YwTUuH4Sjk

Janis Joplin/Little Girl Blue
https://www.youtube.com/watch?v=FVpDOIPx_sY
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コメント 6

tyapi

聴きました

ん~良いですね~

ナイスチョイスですね、他にもお勧めがあれば紹介してください

お願いいたします。
by tyapi (2014-12-26 04:20) 

sig

こんにちは。いろんな分野に造詣が深くて、とても触発されております。楽しみに時々寄らせていただきますので、これからもよろしくお願いします。
by sig (2014-12-26 11:40) 

ぼんぼちぼちぼち

ファンキーの、アナログでパラゴンを楽しむ夕べ あっしも出向いた一人でやす。

ちなみに今は、野口さんと双璧だった寺島さんの店スクラッチから、コーヒー飲みながらコメントしてやす。

ジャズな人が演ればジャズ
なるほど、ブルースにも同じことが当てはまるなぁと思いやした(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2014-12-26 13:09) 

lequiche

>> tyapi 様

気に入っていただいてうれしいです。
こうした典型的なアメリカンポップスのオーケストレーションは、
あざといといって嫌う人もいますが、
今では一種のノスタルジィになってしまっている気がします。
ほっとする気持ちよさも音楽には必要なのだと思います。

次のオススメがどんなものになるかわかりませんが、
また探してみます。(^^)b
by lequiche (2014-12-27 12:33) 

lequiche

>> sig 様

いえいえ、造詣は全然無いです。
好きなものとそうでないものとのモザイク模様みたいな、
意外な組み合わせが新しい風景を作ってくれるときがあって、
そういうのが好きなのに過ぎないのかもしれませんね。(^^)/
by lequiche (2014-12-27 12:34) 

lequiche

>> ぼんぼちぼちぼち様

おぉ、そうなんですか。
パラゴンというのはその木工造形といいコンシュマー用の傑作ですね。
実際にはちっともコンシュマー用じゃないですが。

はい。ジョニ・ジェイムスをプッシュしたのは寺島さんです。
音楽ってジャンル分けの前に、まず「心」があるんだと思います。
by lequiche (2014-12-27 12:34) 

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