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Glamorous Sky — 中島美嘉 [音楽]

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少し前の話題になってしまいますが、02月05日の《関ジャム》は 「あなたの知らない音楽大学の世界」 というタイトルで、高嶋ちさ子さん他クラシック系のゲスト、その中には新垣隆先生もいたのですが先生の発言はあまり無くて残念。新垣先生より高嶋さんのほうが桐朋で先輩というのにも驚きました。
まぁそれはいいんですけど、番組最後の演奏では、中島美嘉の〈雪の華〉を渋谷すばる君が歌って、高嶋のオブリガートがからまる、おぉ、せつなくはかない雪の情景という感じでとてもよかったのです。すばる君は何か持ってるよなぁ。関ジャニはみんな楽器もうまいし、もっと評価されていいと思うのです。

その歌を聴いているうちに、あ、そうだ、以前は中島美嘉を随分聴いていた時期があったというのを思い出してしまって、しかもあの頃は流行だったのかアナログ・ディスクが出ていて、ジャケットの見た目で、よくアナログ盤を買っていました。こういうのも一種のジャケ買いなのかもね。
その頃は他にMISIAとかbirdとか、そんなのも聴いていて、今考えると何でそんなの聴いていたんだろうという感じもある……。若気の至りなのでしょうか。違うな。

MISIAとかbirdは消散してしまったけれど、中島美嘉だけは私の中でなんとなくまだ残っていて、つまりそれは〈Glamorous Sky〉があったからなんだろうと思う。〈Glamorous Sky〉は映画《NANA》の主題歌であり、中島は映画に主演して、そのキャラとして歌っていて、当時かなりヒットした曲とのこと。そうした 「なりきり」 パターンは蓮井朱夏とかRUIとか雨音薫なんかも同じで、音楽にそうしたコンセプトを持ち込むのは、その元を辿ればデヴィッド・ボウイのジギー・スターダストとかなんだろうと思う。

でも《NANA》の映画をDVDで観て、さらに矢沢あいの原作マンガも読んでみたんだけれど、《NANA》は私の感覚からすると、これだ! っていうポジションから微妙にズレているような気がしてノリきれなかったのです。大ヒット映画だったのかもしれないけれど、消費し尽くされてしまっているような気がするし、たとえて言えば、ドアが微かに開いていてそこからすきま風が吹きこんできているような感覚があって落ち着かない。もしNANAファンだった人がいたとしたら申し訳ないです。これはあくまで私の感覚なので。

あらためてキャストを見てみると、今では売れている俳優さんがまだ若い頃だったのか結構多彩で、キャスティングとしてはすごかったのかもしれないとも思います。でもその後、続編を宮﨑あおいが蹴ってしまったのも、役を選んで云々というよりは、そのすきま風のようなものに原因があったのではないかという気がしている。

中島美嘉はこの歌の中だけでナナであって、他の歌ではナナじゃない。それは彼女がいつも極端に髪型やファッションをかえていくのと同じ意味あいがあって、いつもその歌を歌としてだけでなく、ドラマとして歌っているのだと思う。
そして、そのうまいんだか、うまくないんだかよくわからない歌唱は、逆に誰にも真似できない中島美嘉なので、下にリンクした〈Glamorous Sky〉のライヴは音が不安定なんだけれど、ヴィジュアルが美しいので選んだのである。

それで話は突然、現在進行中のドラマ《カルテット》に跳ぶのだけれど、第5話では、カルテットとしてとてもやりがいのありそうな仕事が舞い込むのだが、それは見事なまでに幻想で、4人は現実のメチャクチャな下品さに翻弄される。4人とも変なコスプレをさせられ、きちんとした音を出すより見た目のカッコが大事、練習することよりオエライさんの接待をすることのほうが大事、あげくの果てに、一緒に演奏するはずだったピアニストがリハーサルできないとのことで、本番は音を出さずに弾くフリだけすることを強要される。
不満そうな4人が帰った後、プロデューサー浅木 (浅野和之) は 「こころざしのある3流は、4流だ」 と言い放つのだ。これはカリカチュアのように見えて、でも実は芸能ビジネスの本質をとらえている。もっと敷衍すればオシゴトなんてそのほとんどはこんなもの、というような現実に思い当たる。嫌なほどリアリティがある話だと思いながら観ていた。

でもカルテットの編成が、偶然かもしれないにせよ、1stヴァイオリンとチェロという外声が女性奏者であるということが、すでに、キャッチーな見た目を意識しているのと同じことになっているのかもしれなくて、それは浅木が心にもなくベタ褒めして彼ら4人に仕事を振ってきたのと、質的にはそんなに変わらないのだ。女性奏者の多いオーケストラがファンとの懇親会をすると人気があるというのも同じこと。つまり音楽でないところの音楽を狙っているというのもビジネスだし、だから誰もが美人ヴァイオリニストだったり美人ピアニストだったりする。

ただ、そうした音楽の本質と離れたドタバタの中に音楽的な片鱗がときどき垣間見えたような気がする。最低な仕事の後、その欲求不満を晴らそうと4人は野外でゲリラ演奏をするのだが、逆境や鬱屈したときにこそ音楽は輝くのだ。音楽で大金を稼ぐことと音楽の喜びとは必ずしも同一ではないし、豊穣なオーケストラが鳴るときよりも、稚拙なピアノの一音が心に響くものを持っているときはある。音楽は細部に宿る、と思う。そして本当に弾いているわけではないけれど、この前の満島ひかりのチェロの弾き方はかなりがんばっていた。

NHKの《SONGS》で宇多田ヒカルは、自分の立場はアメリカから見ても日本から見てもアウトサイダーであり、疎外感である、というようなことを言っていた。井上陽水が宇多田を形容する 「せつなさ」 のようなものはそこから発する感情であり、帰属できる故郷を持たない者は常にエトランジェなのであり、そしてそれはナボコフの持っていた蒼白の孤独に似る。


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中島美嘉 2013 Glamorous Sky (Live)
https://www.youtube.com/watch?v=eETzXDPnOd4


当ブログが数日前に100万PVを超えました。人気ブログと比較すれば微々たる数字ですが、このブログの内容からすれば健闘しているほうではないかと自画自賛してみてます。今後もよろしくお願い致します。

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hatumi30331

関ジャム見たよ!面白い話しやったね。
音楽に疎い私でも楽しかったよ。

カルテットも見たよ!
面白いね。
どうなって行くのかな・
来週はクドカンが出て来るね。
楽しみ。
by hatumi30331 (2017-02-17 05:33) 

末尾ルコ(アルベール)

100万PV、おめでとうございます。ブログをやっている以上アクセスが多い方が嬉しいものですが、何かを検索した時に検索上位に出てくるとてもアクセスが多いサイトにはくだらないものも多いですからね。内容とアクセス数のバランスを取って行くのは難しいけれど、そこを目指さねばと思っています。ともあれ、lequiche様のブログの存在は大きな喜びです。

『NANA』は映画としては、大ヒットしたようですが、わたしにはキツかったです(笑)。中島美嘉はミラ・ジョボビッチの『バイオ・ハザード』シリーズにもちらっと出てました。

>豊穣なオーケストラが鳴るときよりも、稚拙なピアノの一音が心 に響くものを持っているときはある。

この感覚、よく理解できます。音楽と心の距離はその時々で変化しますね。そこがおもしろいところ。AMラジオから聞こえてくるザラザラの音質の耳慣れた旋律に涙腺が刺激されることもあります。そうした可能性があるから、人生の愉しみが深まります。音楽は他の芸術と違い、向うからわたしたちの生活に勝手に入って来ることがあるのがおもしろいですね。   RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2017-02-17 08:32) 

kiyo

100万PVご達成おめでとうございます。
by kiyo (2017-02-17 09:09) 

raomelon

100万PVおめでとうございます(o´エ`ノノ゙
これからも楽しみにしています♪
by raomelon (2017-02-17 11:01) 

lequiche

>> hatumi30331 様

ありがとうございます。
関ジャニ宣伝班 (ホントカ? ^^;) としてはうれしいです。
毎回、かなり専門的なことも平気で言ってたりして、
それが面白いですね。深夜だからできることでしょうか。

高嶋ちさ子が、冬の華はBからG♯mに
平行調で転調していくところが美しい、とか言ってましたが、
オイオイ、普通平行調に転調するだろ?
とかツッコミたかったです。(^^)b

カルテットの第5回、吉岡里帆がキライになった、とまで
ネットでは話題になってますが、
それだけ嫌われたら役者としては本望です。
でも結局、主演は松たか子ですからね。
これから最大の謎が現れてくる展開になると面白いんですが。
by lequiche (2017-02-17 15:27) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

ありがとうございます。多分にルコさんのおかげです。(^^)
内容とアクセス数は必ずしも比例しないですし、
どういう記事を書けばアクセスが増えるかはわかってきましたが、
わざとそういう方向にしないようにしている部分もあります。

NANAはやっぱりそうでしたか。そうですよね〜。
セットなども原作に忠実とか評価されていますが、
あの散漫に感じてしまうつくりとか、どうなの? って思いました。
そのへんもすきま風という形容のなかに入っています。
バイオハザードには、ローラも出ていますが、
チョイ役だったみたいですね。仕方がないとは思いますが。

そうです。まさにAMラジオ! その通りです。
このブログタイトルのラジオも、AMラジオのイメージですね。
子どもの頃、聴いていた古いラジオのように、です。
音楽はその形態が最も抽象的であるがゆえに
心のなかに入り込まれやすいんだと感じています。
by lequiche (2017-02-17 15:28) 

lequiche

>> kiyo 様

どうもありがとうございます。(^^)
まだまだこれからですので、がんばります。
by lequiche (2017-02-17 15:29) 

lequiche

>> raomelon 様

どうもありがとうございます。
硬軟とりまぜた話題を作っていきたいと思っています。
「硬」 が硬すぎるかもしれませんが。(^^;)
by lequiche (2017-02-17 15:30) 

えーちゃん

高嶋ちさ子って、好きじゃないな(^^;
上から目線の態度は何とかならんのか?
100万PV超え~おめでとう。
by えーちゃん (2017-02-18 01:14) 

るね

100万PV超え、おめでとうございます。
今後も読ませていただきます。

「NANA」も「カルテット」も観ていない(^^;)のですが、「あさが来た」以来の吉岡里帆ファンとしてはキライになりたくないので、今後も観ないことにしますw
ただ「こころざしのある3流は、4流だ」という台詞は、何とも耳に障りつつも、うぅん……となってしまう言葉ですね。
by るね (2017-02-18 01:48) 

うっかりくま

lequiche さんのブログを読むと、中学の頃ちょっと背伸びして
好きなDJのラジオを深夜に聞いていた感じや、雨の降る日に
近所の小さな書店で本を立ち読みしていた時の感覚を思い出します。
どちらも自分にとってはとても大事な、周囲の喧騒から遮断され、隔絶したような静かな時間でした。今では擦り切れてしまった
知的好奇心?が刺激される所も似ています。
今後も楽しみにしていますので、末永く掲載下さいますように!

by うっかりくま (2017-02-18 13:45) 

lequiche

>> えーちゃん様

どうもありがとうございます。
上から目線ですか〜。あはは。
でもそういうのが好きな人もいるかもしれませんよ。
ひざまずいて足をお舐め! とか。(^^)
by lequiche (2017-02-19 00:10) 

lequiche

>> るね様

どうもありがとうございます。
なるほど。
ファンとはそういうものかもしれません。

3流はこころざしなんか持っちゃいけない、
というのはすごいなぁと思います。
芸術なんて所詮ビジネスだ、ということですね。
つまり下品な物言いほど説得力があるものです。
最近話題の某大統領なんかもそうです。
by lequiche (2017-02-19 00:10) 

lequiche

>> うっかりくま様

深夜のラジオというのは特殊な磁場がありますね。
深夜のTVではダメで、ラジオであることが重要です。
子どもの頃、私も書店の中の閉ざされた空間が好きでした。
以前のブログにも書いたことがあります。
http://lequiche.blog.so-net.ne.jp/2015-07-20

それは自分だけの 「心地よく秘密めいた場所」 なのです。
(A Fine and Private Place というタイトルの本が、
ピーター・S・ビーグルにもエラリー・クイーンにも
あるのですが、まさにそれです)

知的好奇心といわれるとカッコイイですが、
何かヘンな変わったもののほうに心が惹かれるのです。
ひとり遊びが好きなだけなのかもしれません。(^^;)
こちらこそこれからもよろしくお願い致します。
by lequiche (2017-02-19 00:11) 

そらへい

100万PV超え、おめでとうございます。
評される音楽の裾野の広さと縦横無尽さ
そして造詣の深さにいつも感心しています。
これからも200万、300万
pvが目的ではないのでしょうが
続きますように。
by そらへい (2017-02-20 09:06) 

NO14Ruggerman

100万PV超え、おめでとうございます。
相変わらず鋭い斬り込みですね。
>音楽で大金を稼ぐことと音楽の喜びとは必ずしも同一ではない>
「音楽」を「スポーツ」に替えてみても当てはまるなぁ、とフと思ってしまいました。
by NO14Ruggerman (2017-02-20 15:47) 

いっぷく

中島美嘉、ちょっと見ない間にずいぶん雰囲気が変わって
びっくりしました。
関ジャニはすぐに消えるかと思ったら意外と長く頑張ってますね。
by いっぷく (2017-02-20 22:07) 

lequiche

>> そらへい様

ありがとうございます。
いえいえ、広いかもしれませんがずっと遠浅で、
もう少し深みがないといけないと反省しきりです。
1年に1本くらい、まともな記事がかけますように、
というのが今年の目標です。(^^)
by lequiche (2017-02-21 01:18) 

lequiche

>> NO14Ruggerman 様

いつもありがとうございます。
音楽でもスポーツでも、他のジャンルでも同様ですが、
今はすべてが経済効果で計られる時代です。
オリンピックだって幾らもうかるか? が最重要課題です。

森村泰昌さんが言っていましたが、
「それ、おいくら?」 が価値判断の基準なので、
売れるものがエライ、高い給料とっているほうがエライ、
という公式が成立しています。
「なんでも鑑定団」 などもそうです。
高いお皿や有名な絵を持っている人がエライんです。
でもそうなのかなぁ、と私は思います。
02月08日の記事に書いたように
私のシンパシィは売れない現代音楽を演奏し続ける
ニーノ・ソルティなんです。
by lequiche (2017-02-21 01:19) 

lequiche

>> いっぷく様

中島美嘉はわざとヴィジュアルを変えますよね。
擬態というかコスプレというか、
そのように変化させることが好きな人なのかもしれません。

関ジャニはジャニーズの中で
音楽的にはもっとも優れていますね。
昔は弾いたフリしているだけなので、
絶対にギターソロをアップしないバンドとかありましたが、
さすがに今はそういうのは無理みたいです。(^^)
by lequiche (2017-02-21 01:19) 

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