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マツコの知らない世界 — 小室哲哉 [音楽]

matsuko&komuro_170112.jpg

TBSTV《マツコの知らない世界》でマツコと小室哲哉のトークを観た。
マツコはコムロ大ブーム期にまさにシンクロしていたようで、その時代性と憧憬が会話のそこここに現れていた。「今だから語れる」 的な話は、つまりそれだけ時間が経過したから許容されることになったのだろうとも思う。
といいながらも、華原朋美のことをマツコが 「トモちゃん」 と呼んでいたのにもかかわらず、小室は 「華原さん」 と言っていたのが印象的だった。

最も売れていた時期に関してのマツコの問いに対して、「自分が大きなものを動かしているという意識はあったが、自分が作っている曲が自分自身を超えてしまった」 という形容は的を得ていてすごい。そしてマツコが 「ふと冷静になると恐怖心みたいなもの、ありました?」 と訊くと 「ええ、ずっとありました」 と答える。「時代を変えてやろうとか作ってやろうと思っていたわけではない」 とも。

ライバルとしてつんく♂を挙げ、引退を考えさせられたきっかけとして、宇多田ヒカルを聴いたときだったと言う。その小室の述懐にマツコも各々同意する。ざっと箇条書きにすると、
 
 あったらしいな!
 [まずAutomaticのPVの衝撃] ずっと低いなぁ。最後まで低い。
 生まれたときから英語というのも聞いて、これ敵わないな。
 何がAutomaticなのか。何回か詞を追っても分からなかった。
 作詞の概念を変えられてしまった。
 僕にはAutomaticというのが、まず出て来なかったので。
 出ないってこと自体、クリエイター側からすると
 「あぁ、出て来ないんだ自分は」 [と思った]。
 詞のはめ方、ラジオでの喋り方、何から何までが自由で、
 いいなぁ、うらやましいなぁ、こんな好きに喋っていいんだ。
 この業界になってから、これほどやられた感はない。

この部分を一番興味深く聞いた。
新しいな、でなく、あったらしいな!とわざわざ言ったところにその気持ちがあらわれていた。

私はコムロ・サウンドをそんなにリアルタイムで聴いていたわけではない。その頃には、そんなに興味がなかったのだと思う。だから遡って聴いていったような記憶がある。
でもなぜか『heaven’s DOOR』というバブル期の頃のディスコ雑誌がウチの書棚にあって、創刊号ではあまり垢抜けないtrfが表紙になっている。宇多田ヒカルの最初のアルバムについては、以前のブログにも書いたとおり私が最も繰り返し聴いたアルバムであるので、圧倒的に宇多田に対する記憶のほうが大きい。

この番組を観た後、時系列的にどうなっているのか、調べてみた。
シングル盤で見ると、

華原朋美   1995年10月11日 I BELIEVE
安室奈美恵  1995年10月25日 Body Feels EXIT
globe    1996年01月01日 DEPARTURES
華原朋美   1996年03月06日 I'm proud
安室奈美恵  1996年08月21日 SWEET 19 BLUES
安室奈美恵  1997年02月19日 CAN YOU CELEBRATE?
globe    1997年03月05日 FACES PLACES
浜崎あゆみ  1998年04月08日 poker face
宇多田ヒカル 1998年12月09日 Automatic/time will tell

華原、安室、globe、宇多田のなかに浜崎あゆみを加えてみたが、こうして見るとあきらかにコムロファミリーの全盛があって、それから宇多田ヒカルが出て来たことがわかる。ところが浜崎あゆみというのは、ほぼ宇多田ヒカルとかぶっていて、私はどちらかといえばコムロファミリーの同時代だったような錯覚に陥っていたのだが、ポスト・コムロファミリーの位置だったのが少し意外だった。
私の個人的な感想を言わせてもらえば、その各々の最全盛期というのはどれもごく限られた期間だったというのがわかる。つまり1993年にtrfの《EZ DO DANCE》、1994年に篠原涼子のヒットがあるにせよ、極端にいえばコムロファミリーは上記の選曲の範囲からすると1995年~1997年でしかない。
浜崎あゆみも私が最盛期と規定するのは1stシングルの《poker face》から16thの《SEASONS》までであり、とすると1998年4月から2000年6月までのわずか2年間である。思っていたより流行のサイクルというのはずっと短い。

そうした時代の変遷のなかでの宇多田の1stアルバム《First Love》が1999年3月のリリースである。しかし小室が、新しいと思った宇多田サウンドは結果として宇多田の孤高のものであり、それ以後、日本のポップスが新しい局面にシフトしていったかというと疑問である。むしろその後の展開は伝統的歌謡曲路線への先祖返りでしかなかった。それはポップス、しかも 「J-」 という地域限定的冠詞が付く以上、ある程度しかたのないさだめなのかもしれない。


マツコの世界SP/2017.01.10.
https://www.youtube.com/watch?v=c1U0GedYAqw
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末尾ルコ(アルベール)

TMネットワークが「Get Wild」をヒットさせた頃は(カッコいいじゃない)と感じてました。その後はまあ、いろんな曲やプロジェクトを大量生産するイメージがすぐに定着し、まったく興味がなくなりました。それは京極夏彦が『姑獲鳥の夏』でデビューした時に(すごい小説を書く作家が現れたものだ)と驚いたけれど、何冊目からはぐーっと隙間だらけの作品となり興味を失ってしまった・・・のとは特に似ているとは思いませんが(笑)、わたしの中で何となく重なっているのです。その後は小室哲哉がワイドショー的話題で世間を賑わしているのを眺めながら、(あんなに儲けても、お金無くなるんだ)と妙な関心をしたのを覚えています。といったくらいの興味なのですが、小室哲哉くらいの才能があれば、もっとじっくり作品に取り組む時間を持っていればもっとおもしろいものも作れたのではと思ったりもします。  それはさて置き、宇多田ヒカルの歌、ほとんど聴いてなかったんですが、lequiche様がよく取り上げておられるのを見て、じっくり聴く機会を持とうという気分になっております。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2017-01-12 09:11) 

リュカ

TMネットワーク時代はよく聴いてました^^
キーボードじゃなくてエレクトーンだったけど
弾いていたから余計に興味があったかも^^

by リュカ (2017-01-12 09:21) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

小室哲哉と京極夏彦の類似性ですか!
面白いですね。それは言えてるかもしれません。
量産するには水増ししなくてはならないので、
どうしても薄めでスカスカになってしまう・・・。

小室さんについては以前に書きましたが、
そのとき考えていたスタンスは今も変わっていません。
http://lequiche.blog.so-net.ne.jp/2013-01-19

私の好みは小室さんが趣味でやりたかった音が好きで、
一般的に求められる小室像とは少し違うかもしれません。
この記事にリンクしたtk-trapは私が一番多く聴いた小室さんです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15103997

同様にリンクしていたMany Classic Momentsは
Mステの動画が削除されてしまっているので、PVですが。
これは悲しい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=APcOZvx82B0

ただ、私がトランスとかユーロが好きという面はあると思います。
また、たとえばジャン・ミシェル・ジャールとの共演とか
いわゆる遊びの部分があるほうが好きなんですが、
これってあまり標準的な聴き方ではないのかもしれません。
尚、ジャン・ミシェル・ジャールはモールス・ジャールの息子です。
by lequiche (2017-01-13 00:46) 

lequiche

>> リュカ様

おおぉっ、そうなんですか!
エレクトーンも最近はすごい機種がありますから、
かなりすごいことがひとりでできたりして。
エレクトーンのある場所でオフ会するのもいいですね。(^^)
by lequiche (2017-01-13 00:47) 

hatumi30331

この番組大好き!
時々見てます。^^

この回は見逃したのよ〜〜
見れば良かった。
小室哲哉、ある時代を支えた人やね。^^
by hatumi30331 (2017-01-13 05:44) 

lequiche

>> hatumi30331 様

最終行にある動画リンクを変えてみました。
次々に削除されてしまいますが、このリンクがダメでも
直接検索ワードを入力すれば観られる動画があるはずです。
(ホントはやっちゃいけないってことなんですけど ^^;)

確かに 「ある時代」 ですね。
時代はどうしても表層的、風俗的に捉えられてしまうので、
本質は見えにくいです。
by lequiche (2017-01-13 09:42) 

えーちゃん

ぁぁ、これ私も見たよ。
小室さんは私と同郷なのでチョッと興味があったな。
TMネットワークのTMって、多摩の略なんだよね(^^;
まぁ、1995年頃は小室サウンドは結構聴いたな、特に安室ちゃんの曲を。
ちなみに、私もAutomaticのPVには衝撃を受けたよ(^^;
by えーちゃん (2017-01-14 01:25) 

lequiche

>> えーちゃん様

多摩ネットワークというと、
すごくマイナーでローカルで小さな感じですね。
でも本来、そんなものだったのかもしれないです。(^^)
逆に肥大化し過ぎちゃったのかなあ。
おぉ、アムラーですね?(チガウカ ^^;)

Automaticは細かいワザがあちこちにあって、
カラオケでちゃんと歌える人を聞いたことがありません。
というか、Automatic歌う人、滅多にいないかな〜。
ビートが根本から違うんだと思います。
by lequiche (2017-01-14 03:25) 

向日葵

面白かったみたいですね。
留守録はしましたが、まだ見られていません。

落ち着いたら「きっと見られる」と思いますので
楽しみに待ちたいと思います。
by 向日葵 (2017-01-16 03:03) 

るね

新年のご挨拶廻りが今頃になってしまいましたが、
今年もよろしくお願いします。

自分もマツコと同世代なので、小室サウンドはやはり印象深いものがあります。高校の頃TMにハマってただけに、その後のいわゆるブームは、一点物の生の食材に対する加工食品のような感じがして、段々離れてしまいましたが。
by るね (2017-01-17 22:46) 

lequiche

>> 向日葵様

録画されたんですね。それなら安心!(^^)
私は偶然途中から観たので、
前のほうはYouTubeで探して観ました。
でも、もう随分昔のことになってしまったようです。
by lequiche (2017-01-18 11:24) 

lequiche

>> るね様

こちらこそよろしくお願い致します。

あぁ、そうなんですか。
加工食品のたとえ、言えてます。
処女作を超えられないクリエイターってよくいますが、
結局いままで溜めていたものを放出してしまったら
その後に何もなかった、ということだと思います。
小室さんはビジネスになってしまいましたからね。
by lequiche (2017-01-18 11:24) 

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